どきっとするような子どもの暴言、どう考えますか

「Aちゃん(同級生)って、意地悪なことばかりして嫌いなんだよね。いなくなっちゃえばいいのに……」
自分の子どもが小さい頃、こんな発言をしたので、どきっとしたことがあります。
大人からすると「どうしてそんなことを言うの! 友だちがいなくなれなんて、言ってはいけません!」と言いたくなってしまうところです。

ただ、そんなふうに叱る前に、子どものこうした発言の背景を考えてみたいと思います。
多くの子どもは、「いなくなれ」とか「死んじゃえばいい」という言葉を、大人が考えるほど重くは考えないで発しています。

こうした言葉が持つ攻撃性や、人の生死についてのイメージがまだ曖昧なのです。それは大人との想像力や経験の差からくるのであって、ほとんどの場合、子どもが悪意を持って発した言葉ではないのです。

ではどう対応したらよいのでしょうか? そういうときは、まずは「どうして、そういうふうに思ったの?」と聞いてみてはどうでしょうか。そうしたら、子どもが「Aちゃんとケンカしちゃったんだもん」と言ったりします。

あるいは「本当は仲良くなりたいのに、イヤなことを言われてモヤモヤしている」という心の状態が見えてくるかもしれません。自分の中のイヤな感情をAちゃんにぶつけて、「死んじゃえ」という言葉で表現したんだ、ということがわかってくるでしょう。

このように 「どうしてそう思ったの?どうしてそう感じたの?」こうした問いかけを通して、子どもの気持ちを探ってみることをお薦めします。子どもがどんなふうに物事を捉えていて、どんな感じ方をしているのか、そこに興味を示して聞いてみるのです。大人が感情的にならずに、穏やかに冷静な対応の方が、子どもは心を開いてくれます。

そしてもう一つ大事なこと、それは親の気持ちも子どもに伝えることです。

例えばせっかく作った食事を、子どもが「嫌い!」と言って食べなかった時、「何を言ってるの!? 、あなたのために作ったんだから、全部食べなさい!」と命令してしまっては、ケンカになってしまいます(そう言ってしまう親の気持ちはよくわかりますが……)。

そうではなくて、「頑張って作ったお料理だから、あなたが残さずご飯を食べてくれないと、悲しいな」「あなたがご飯を残すと、大きくなれないんじゃないか、病気にかかりやすくなっちゃうんじゃないかって心配なんだ」と、気持ちを伝える方法があります。

親の気持ちを素直に出して子どもに投げることで、「なぜ食べてほしいのか」という気持ちは伝わります。

あるいは先ほどの例で言えば、「死ねっていう言葉は、とても悲しい言葉だから、私はあなたからそういう言葉を聞くのが悲しいな」とか、「私は、Aちゃんとケンカしてて、あなたがずっとイヤな気持ちになっているのが心配なんだよね」と素直に伝えることです。

その上で「何かしてほしいことはあるかな?」と聞けるといいですね。「いつだって私はあなたの味方だよ」というメッセージを出し続けることが大切です。

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