安心と挑戦の好循環が、子どもの成長を促します

新年度を迎えて1ヶ月が経ちました。新しく入園してきた子どもたちも、少しずつ園生活に慣れてきました。今月のしずく組・ひかる組の記事には新入園児のAちゃんの姿が書かれています。初めて親から離れて園での生活がスタートしたAちゃんは、最初は担任の先生から離れることすらできませんでした。しかし先生たちがAちゃんの不安を受け止め、一緒に楽しい時間を過ごすことで、徐々に気持ちが安定してきます。

そしてついには「一つ年上の子どもたちが楽しそうに身体を動かして遊んでいる姿を見ていたら…、自ら保育者のそばを離れ、友だちと同じ遊びをしようとし始めた」、そんな内容です。たとえ親でなくても身近な大人が与える安心感は、子どもの気持ちを安定させます。 大人からの安心感や心の拠り所が得られると、子どもは自分の世界をどんどん広げていきます。興味のあるものには積極的にチャレンジしていきます。

子どもは遊びの中で、同じやり方を繰り返したり、また時には違うやり方から違った経験をしたりして様々なことを学んでいきます。当然大人がやってほしくないことをやることもあるでしょうし、ケガをすることもあるかもしれません。しかし子どもに限らず私たちは「試す・挑戦する」ことと、「失敗から学ぶ」ことが両輪となって成長していくのではないでしょうか。少しぐらいのケガであれば、自分のやりたいことを挑戦しようとする姿勢を育むことの方がはるかに価値のあることだと考えています。小さなケガや多くの失敗は、小さい時にこそ経験するべきで、経験したことによって子どもは今後そうならないための賢い知恵を獲得していきます。

大人の姿勢として大切にしてほしいのは、子どもの行為に対して、安易に「いい」「わるい」と評価をくださないことです。子どものやることに大人が口を出しすぎると、子どもは大人の顔色を見て行動をするようになります。そうなると、子どもは安心感よりも不安や自信のなさが助長されてしまうかもしれません。

ところで、当園1Fの裏手にはボルダリングと空中ネットがあります。昨年まで2Fで過ごしていた新そら組の子どもたちは、ここで遊びたくて仕方がありません。そんな時に「危ないから遊んではいけません」ではなく、「自らお手本を見せて一緒に楽しみ、子どもが安心して挑戦できる環境をつくってあげる」大人であってほしいと思います。もちろん最初は上手くのぼれないことでしょう。しかし失敗を重ねながらも、挑戦する子どもの姿を愛おしいと感じてほしいのです。 子どもの成長・自立には、安心と挑戦をうまく循環させ、時には失敗を体験させながらも、これを応援する大人の姿勢が大切なのです。

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