「ママ(パパ)がいいよね」の声があちこちから…!?

毎朝、保護者の皆さんは、お子さんを園に預けて仕事に出かけていきます。子どもは先生やお友だちと楽しく園で生活していますが、この時期何度も発することばがあります。

それは「ママ(パパ)がいいの…」です。環境の変化に敏感な子どもは、不安な気持ちをこんな言葉で表現します。新入園の子どもはもちろんのこと、進級した子どもも、口をそろえて言います。

保育者は「ママ(パパ)がいいよね~」と同じことばを穏やかに繰り返すことで、子どもの気持ちに寄り添い、安心感を与えます。この子どもと保育者のやりとりが、特にこの時期多いため、園内「ママ(パパ)がいいよね~」の保育者の声が溢れています(笑)。

新しい環境になって、子どもにとってはまるで新しい世界に飛び込んだようなもので、周りの変化についていくのに大変な思いをしています。

新入園のお友だちは、これまで父母といつも一緒だったのに、お母さんと離れて未知の場所で過ごしていかなくてはなりません。在園の子どもも、進級に伴って部屋が変わったり、担任が変わったり、遊ぶおもちゃも変わったりと、やはり環境が大きく変わりました。

大人の場合見通しをもって心の準備をすることができますが、子どもはなかなかそうはいきません。そこで出てくる言葉が「ママ(パパ)がいいの…」です。

こんなお話をすると、お母さんやお父さんも心配になってしまうかもしれません。実際に登園時に子どもが泣いたりすると、「今日預けない方がいいのかな?」などと考えてしまうことがあるかもしれません。どんな親でも、一度は後ろ髪をひかれる思いを経験することでしょう。

でも大切なのは、親が動揺しないことです。「これは楽しそうだね」「○○先生はやさしいね」と前向きになることばをかけて、子どもの不安をやわらげてあげてください。

また「泣く」ということは、子どもが環境の変化を敏感に感じ取る力が育ってきたことでもあります。親が何事も前向きに捉える姿勢を心がけてみてください。子どもは親の姿をよく見ていて、そこからものすごく影響を受けています。保護者の皆さんが前向きに送り出すことで、やがて子どもも安心して登園することができるようになります。

しばらくは、「ママ(パパ)がいいの…」と子どもは言うかもしれません。しかし、ほとんどの子どもは2ヶ月、3ヶ月と園生活を送っていくうちに、自分なりの楽しさを見つけられるようになってきます。

遊びのおもしろさや保育者とのあたたかな関わりを積み重ねる中で、子どもは安心して園生活を送るようになってきます。ちなみに今年小学校へ就学した子どもたちは、どの子も園が懐かしいようで、よく顔を出してくれます。

「ママ(パパ)がいいよね~」と子どもの気持ちに寄り添いつつ、一人ひとりの成長・発達を支援していきたいと思います。そして同時に保護者の皆さんの子育てが前向きになるよう応援してまいりますので、本年度もどうぞよろしくお願い致します。

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