保育者顔負けの、仲裁にビックリ!

先日、幼児クラスのお部屋に行くと、「もう!こわさないで!」と言いながら年長児のA君がロッカーの方に走っていくところに遭遇しました。

その場に残された年中児のB君は、納得のいかない表情をうかべながらも遊びの続きをしようとしていました。前後の様子がわからない私は、さて、どんな感じで仲裁に入ったらいいかな…と思いながらその場に向かおうとすると、数名の年長児がA君を連れながらその場に戻ってくるところでした。

そして年長児のCちゃんが、A君、B君それぞれに「どうしたの?」と、とてもやさしいトーンで話しかけると、A君、B君ともにその時の状況をCちゃんに説明し始めました。

少しわかりにくいところもありましたが、Cちゃんは根気強くはなしを聞いてあげていました。二人の話を要約すると…、A君がB君が使っていた車のおもちゃを取ったので、B君はA君が並べてあそんでいた車の列を乱した(壊した)ということだったようです。

するとCちゃんは「そっか~」と言いながらA君には「取らないで『かして~』ていえばいいんじゃない?」とか、B君には「でも、遊んでるいるのをこわしたらだめだよ」と、二人に一生懸命伝える姿が見られました。A君もB君もCちゃんの話をうなずきながら聞いていました。そして、その後何事もなかったかのように二人で照れ笑いを浮かべながら再び遊び始めていました。

一方的に「だめだよ!」と注意するのではなく、両方の話をそれぞれの気持ちに寄り添うように話を聞いてくれたCちゃん。

A君もB君も次第に気持ちが落ち着いてきて、Cちゃんの話も素直に受け止められたのでしょう。

今回のような場面に立ち会って、改めて保育者の日々の子どもへの関わりが、子どもに影響しているなと感じました。「子どもの気持ちに寄り添う」ことは、私たち保育者が日々大切にしていることの一つです。

友達と過ごす日々のなかで、少しずつ相手の気持ちに気づき、想像し、困っているときには手を差し伸べることができる。そんなふうに、思いやりある子どもに育っていってほしいというのが私たちの願いです。Cちゃんを介した子どものやり取りを見ていて嬉しくなり、引き続き保育者の「子どもに寄り添う姿勢」を大切にしながら、子どもの心の育ちをしっかりと支えていきたいと思いました。(主任保育士・堀)

error: