1月には各クラス保護者懇談会を実施しました。担任から、子どもたちの成長や園生活の様子をお伝えし、保護者の皆様からもお子様の成長について共有いただく貴重な時間となりました。
しかし考えてみれば、子どもが成長するということは、本人が自分でできることが増えていくことであり、大人の手をかける度合いが少しずつ減っていくことでもあるはずです。
実際当園では、子どもの成長に伴って自分でできることは自分でやってもらうようにしています。例えば今ひかる組(1歳児クラス)の子どもたちは、自分で帽子を出し入れするし、靴下もつま先だけ履かせると自分で全部履けるようになってきています。4月の頃からは想像できなかった姿を見ると、「こんなにできるようになったんだ」と、本当にうれしく感じます。
こうした自立を促すためには、少しの工夫が大切です。園では、ある程度の流れを決めて行動しやすい環境を整えています。たとえばにじ組(2歳児クラス)では、「トイレ→戸外あそび→(園に戻って)トイレ→手洗い→着替え→手洗い→食事→トイレ→お昼寝」という順番を決めたり、帽子や着替えを置く場所をはっきりさせたりしています。こうした一定の流れがあると、子どもたちは「次は何をすればいいのかな?」と自然に理解し、自分から動きやすくなるのです。
このような工夫は、ご家庭でも十分に取り入れることができます。たとえば、帰宅したらまず「自分のかばんを定位置に置く」「汚れ物は自分で洗濯機に入れる」といった行動を、あらかじめ決めておくのです。
また、就寝時間を決めて、それに向けた準備を毎日同じ流れで行うと、子どもはスムーズに寝る準備へ移行しやすくなります。就寝30分前からテレビや動画を控え、代わりに絵本を読む、照明を少し落とすなど、落ち着けるルーティンをつくってみるのもおすすめです。
この時期に決まった手順で生活の流れをつくっていくことは、子どもの成長にとって以下の良い点があるように思います。
- 毎日同じ時間に同じことをすることで、トイレに行くことやお風呂に入る習慣が自然と身につきます。また見通しを持てるようになるため、子どもが自ら行動しようとする、自立心を育みます。
- 同じ流れの生活は、子どもに安心感を生みます。
- 決まった順番の流れは、今やっていたことから次のやることへと行動を移すことから、気持ちを切り替える練習になり、メリハリのある生活を実現します。小学生以降の生活にも大きく影響します。
帰宅後に限らず、起床後の生活も、ルーティンをつくっていくことをお勧めします。
子どもは成長するにつれて、大人が思っている以上に、自分のことが自分でできるようになってきます。大人が環境づくりをしていくだけで、子どもは自分で動けるようになり、自立していきます。
大人が先回りしてやりすぎない、必要以上に手を出しすぎない、子どもができることは少し待ってみるなど、子どもができることを信じて関わっていくことを心がけてほしいと思います。