子ども同士の話し合いが民主主義の根っこ!?

民主的な社会を形成するにあたって、大切なのは「違った考えを持った人々と話し合いを進め、合意形成をつくる(納得解を導き出す)」ことだと言われています。しかしこれはは大人社会だけのことでなく、子ども社会や子どもの成長過程においても大事なことだと考えています。

先日子どもたちが水遊びをしている時に、地面の水たまりが温かいことに気が付き、「水を太陽にあてたら温かくなるかも?!」と話題になりました。

そこでたらいに水を入れてこれを陽の当たる場所におくことにしました。最初はみんなで水をかき混ぜて「あったかくなれ、あったかくなれ」とお祈り(?)をしていましたが、すぐには温かくならないのでその場所においておくことにしました。

午後おやつの終わる頃には、日なたにおいてあったたらいの水も温かくなっていました。そこで子どもたちのアイデアで「温泉屋さんをしよう!」ということになりました。何やらコーナーの一角に集まり年長さんが「話し合い」を始めています。

タライに温泉ができてる!子どもたちの遊びが盛り上がり始めます

「チケットをつくるのか?」、「そら組とかぜ組の案内役はどうするのか?」、「先生たちも呼びたい!」「みんなが来て混まないようにするには?」、「冷たいとあったかいのを案内する人は?」などなど、話し合いの議題はたくさん挙がっていました。

しかも小さなホワイトボードを用意し、そこに顔写真付きのマグネットを貼って係の分担をしていました。拙い文字や数字で、子どもたちで確認し合っている様子がありました。

「話し合い」の規模としては小さなものですが、ここにはいくつか大切なポイントがある気がします。

  • 誰でも等しく自分の意見やアイデアを言葉にして、発信できる
  • 自分の意見やアイデアに対して、聞いてくれ、考えてくれる相手がいる
  • 自分とは違った意見があっても、話し合いで調整する
  • みんなで分かり合える道具(ホワイトボードや文字など)を用意している
年長さんたちの間で、真剣に話し合っています

こんなふうにあれやこれやと、子どもたちは合意形成(?)を図っていました。ちなみにうちの園では、午後の時間に年長さんだけが集まって「話し合い」をします。

そこでは、日々出くわす些細なことから、先生が考えてほしいことまでいろいろと話し合います。それもあってか、今回のようにおもしろそうなことがあると、子どもたち同士で話し合う姿が増えてきました。

自分たちが主役になって決めていけるという感覚、相手の話を聞く大切さや相手の意見を尊重すること、友だちがいるからこそ自分らしさを発揮できること。

園で起こる問題はたしかに小さな問題かもしれません。しかし、みんなで「話し合う」ことを通して、民主主義の根っこの部分を体験しているところに、大きな意味があると感じています。

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