うちの園では、0、1歳児クラスの子どもが同じ部屋、同じ空間で生活しています。それは、赤ちゃんからおよそ30ヶ月頃までの子どもの成長を、連続的にみることが大切だと考えているためです。
先日保育室のレイアウト変更をしました。保育室の配置換えを行った理由は、主にこんなところにあります。
それぞれの子どもの発達段階に応じた適切な環境づくりを大切に!
0,1歳児クラスは、「寝返り→おすわり→ハイハイ→よちよち歩き→しっかりした歩行」という形で、著しく成長発達をしていきます。園では、一人ひとりの子どもの成長を丁寧に見ていくことに重点をおき、より発達が近い子どもを一緒に保育していきます。
例えば同じ0歳児クラスでも、寝返りができる子もいればよちよち歩けるようになった子もいます。その子たちの遊び方は、まったく違います。逆に0,1歳別のクラスでも、ちょうど歩けるようになっていろいろな所へ探索し動き回る発達段階にいる子もいます。
こうしたことから、しずく組・ひかる組の子どもたちを「すやすや(低月齢グループ)」、「ぐんぐん(中月齢グループ)」、「てくてく(高月齢グループ)」と、発達別に3グループに分けることにしました。年齢で分けるのではなく、同じ発達段階にある子ども同士が関わっていくことで、各人の興味や運動能力を適切に伸ばし引き出していくことが可能になります。
子ども自身が先を見通せる環境を!
とはいえ、同じ発達段階にある子ども同士だけで保育するわけではありません。子どもは根源的に成長欲求を持っています。誰もがもっとお兄さん・お姉さんに憧れ、なりたいと思っています。このため少し発達が先のお姉さんやお兄さんの遊びを、赤ちゃんも見通せる環境を大切にします。実際に赤ちゃんは、お兄さん・お姉さんのやることをよく見ています。その姿を直接見ていることによって、自分が今後どんなふうに遊ぶと楽しいのか、その見通しを作っています。
年上・年下の子と関わりが、子どもの発達・成長を促します!
子どもの最大の特徴は模倣することです。もちろん同じコーナーでは隣のお友だちを見てマネすることは多いでしょう。しかし子どもの発達を促すには、少し先の発達をしている年上の子を見る機会をつくることです。そこで赤ちゃんがいろいろな空間に行き来できるよう工夫しました。
「見たものを触ってみる」、「友だちの様子を見て自分もやってみる」、「年下の子が年上の子のマネをし、年上の子が年下の子の面倒を見る」など、マネをし合い刺激し合う環境が自分の能力を定着させ、時には拡大していくと考えられます。
以上のような思いから、今回の0,1歳児クラスのレイアウト変更を行いましたが、子ども集団で生活することのメリットを存分に生かし、今まで以上に子どもが充実した生活を送り、園の中での居心地の良さや楽しさ感じてくれることを期待しています。