4月から一ヶ月近くが過ぎようとしていますが、お子さんの様子はいかがでしょうか。変わったことはありませんか。先生には慣れたでしょうか。
4月は、登園時離れるときにお子さんがあまりにも激しく泣いたりするので、保護者の皆さんはきっと後ろ髪を引かれる思いだったとお察しします。心配なことがあれば何なりとご相談ください。大丈夫です。子どもは親が思っている以上にたくましく育っていくものです。
さて、今回は子どもの生活リズムについてお話しします。突然ですがこんな困った経験ありませんか?
「朝の登園時にぐずることが多い」、「午前中の活動に参加できずに、不機嫌なことが多い」、「ごろごろしていることが多い」、「気分にムラがある」など、朝からぐずった子どもに対して親はどう向き合えばよいのでしょうか。
ほとんどの保護者は、「体調が悪いのかなぁ」、「今日はムシの居所がわるい」などと考え、なだめたり抱っこしたりして子どもの気持ちを何とか立て直そうと努めています。しかし、そのほとんどの原因は毎日の生活リズムにあると考えられます。
子どもの機嫌や体のだるさなどは、十分な睡眠と規則的な食事をとることで、ほとんど解消すると言われています。特に睡眠はとても重要で、子どもの健康や意欲に影響を及ぼすので、十分に配慮をしてほしいものです。
ある大学の研究では、乳幼児期からの「遅寝」に対して、こんな警鐘をならしています。
- 最も好奇心が旺盛な時期に、いろいろなものへ興味や関心が少なくなる。意欲がわきにくくなる→ものごとへ真剣に向き合う力が弱い、集中力が低下する。
- 体を動かすことが面倒になる→外へ出たがらない→日光に浴びることでつくられるビタミンDがつくられなくなり、骨が弱くなり疲れやすい体質になる。
- 脳内の神経伝達物質(セロトニン)が不足し、攻撃的になる。
- インスリン(血液中の糖分を細胞に取り込むホルモン)が不足し、成人病(肥満、糖尿病や高血圧症)予備軍をつくる
いかがでしょうか。実際に3歳の頃に就寝が遅かった子は、小学校4年生になっても「遅寝」の傾向が強いことがわかっています。小さい頃からの安定した生活リズムは、ただちに生命に影響を及ぼしませんが、子どもの将来の生活や健康にはとても重要なことなのです。
お仕事をしながらの子育てですので、大変なのは重々承知しております。しかし安定した生活リズムこそが子どもの心と体の健康を根っこから支えるものだと考えます。まずは無理なく家庭でできることから始めるのがよいのではと思います。
例えば寝る前には、タブレットによるゲームなど神経を刺激する遊びはさせない、寝るときには部屋を暗くし、テレビを消し、静かな環境にする、あるいは夜9時には横になって朝7時に起きるなど、試してみてはいかがでしょうか。明日から連休に入る家庭が多いと思いますが、今年は元号が変わる長めの連休になります。これを機に子どもの生活リズムについて考えていただければと思います。