3歳以上児クラス(そら組、かぜ組、たいよう組)プールあそびは、先週から発達別(習熟度別)に行っています。
習熟度別というと、子どもを差別するとか、ランクづけされるように思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。保育者の方で個々の子どもを発達別(習熟度)に分けるのではなく、子どもが自分でどのコースをやるのかを選ぶようにします。自分のレベルにあったコースを考えて選ぶことで、子どもは安心して活動に集中できます。
以下のコースに分かれて、プールあそびを行っています。
- かにコース :顔に水をかけられるのが嫌なので、水に肩までつかったり水の中を歩いたりする
- らっこコース :顔に水がかかっても大丈夫だけど、まだ潜るのは難しい
- いるかコース :水の中に潜って、泳ぐことができる
プールあそびに限らず、子どもは自分にとってできそうもない課題や簡単すぎる課題を与えられると、目の前の活動に集中できずに出歩いてしまったり、他のことをやり始めたりします。また自分のレベルに合わないという理由で、その活動そのものをイヤになってしまうこともあります。
保育のねらいやその活動内容にもよりますが、いつでも年齢別に分けるのではなく、その子に合わせて考えてあげるのが望ましい場合もあります。できるだけ本人が持っている能力に合わせて、保育を進めていくという視点は、子ども一人ひとりの個性や能力を尊重していることなのです。
うちの子ども園では、食事においても自分で食べる量を自分で決めて食べていますが、これも同じ考え方にもとづいています。本人の「好き嫌い」や「食べられる量」、「かんで飲み込む力」、「食への関心」など、一人ひとりの子どもによって個人差はとても大きいものです。この個人差を無視して「一律に同じ量を食べなさい」というのは、子どもの人権をないがしろにしていると言わざるを得ません。
「一人ひとりに寄り添う」という姿勢は、日々の保育の中ではもちろんのことですが、プールあそびや食事の場面においても仕組みとして保障していく必要があると考えています。