園では今、屋上に野原をつくる計画が進行中です。それは職員からの言葉がきっかけでした。
「公園に行って綺麗なお花が咲いていると子どもたちが取りたがります。可哀想だから取らないでね、と言ってはいますが、難しいですね…」。
もちろん、公園は公共のものだから、勝手に花をとったり枝を折ったりしてはいけません。一方で、子どもたちにとって、お花をむしって集めたり、葉っぱをとって並べたり、草花で遊ぶのは楽しい遊びです。 “もっと自由に草花で楽しめたらいいな”という気持ちがありました。
そんな話を、園の植栽を手入れしてくれる業者の方にお話しすると、野原デザイナーの金子さんを連れて来てくれました。金子さんは都市の中に野原をつくるお仕事をしています。小さいころ、お母さんの故郷である北海道の野原で自由に遊んだ楽しさが心に残っていて、都会にこそ野原が必要だ、という思いから野原をデザイン(計画・実行)しているそうです。
先日、金子さんがたずさわっている下北沢の野原に行ってきました。都会の真ん中に本当に野原が広がっていました。野原に踏み入れて草花を触ったり、虫を探したり、どんぐりを拾ったり、自由に遊べる場所でした。こんな場所が近くにあったら子どもたちは喜ぶだろうなと思いました。
金子さんに教えていただいて改めて、園にはたくさんの種類の草木があることに気づきました。
これまでも園庭のレモンでジュースを作ったり、ヤマモモでジャムを作ったりしてきましたが、それはほんの一部でまだまだ活用できる草木がたくさんあるということで、 先生たちからもお香を作りたい、染め物をしたい、ハーブティーパーティーをしたいなどやりたいことがたくさんあがっていて、ぜひ実現したいと思います。
野原計画では屋上にコンポスト(肥料)をつくることから始めました。植栽の剪定時にでた草木を集めて発酵させて堆肥になったのを撒いて野原の土壌にしていきます。先日そこに子どもたちと種をまきました。
来年の春にはどんな野原になるのか楽しみです。(大平)