ちいさな先生たちと過ごすひと夏【わかくさ日記】

この8月、卒園児の小学生たちによる「お手伝い保育」を初めて実施します。夏休みの間、卒園児には小さな子のお世話をしたり遊んだり、「ちいさな先生」体験をしてもらおうというものです。

これはずっとやりたかった取り組みなのですが、ここ数年の感染症流行の状況では、なかなかできず……。今年こそ思い切ってやってみようとなりました。もちろん、いまだコロナが広がっている中なので、細心の注意を払っていきます。

うちの園では異年齢保育をしているので、幼児クラスに3年間在籍すると、1学年約20人×前後の2学年で、のべ100人近い子どもと一緒に過ごすことになります。もちろん、100人すべてと濃い人間関係でつながる、ということではなく、それぐらい幅広い人の中から、気が合うお友達と関係をつくっている、ということなのです。

これは良い意味で年上の子に影響を受けやすい環境であると思います。例年、4月になると新しいたいよう組さんが「〇〇くんみたいに、かっこいいたいようさんになりたいんだ」と、去年の最上級生の子の名前を出して、はりきったりする場面が見られます。身近な先輩がモデルケースとなって、子どもたちの成長を引き出しているのを実感します。

園の外でも中でも、年上の子が助けてくれることがよく見られます

さて、保育園生活の中では、特に年長児の場合は、小学校へ向けて期待と憧れを高めていくことが大切だと思います。そんな中、かつて一緒に過ごしていた、身近なお兄さん・お姉さんたちがまた遊んでくれたり、面倒をみたり関わってくれるというのは、何よりも小学校生活へ向けた明るい希望になるのではないでしょうか。

今回来てくれた卒園児たちと、やがて小学校で再会することもあるでしょう。
慣れ親しんだ友達と別れ、小学校に入学するのは心細いものです。そんなとき、園で築いたつながりが、きっと助けになってくれるはずです。
実際に、卒園児のご家庭からも「(子どもは)わかくさの後輩が入ってくることを心待ちにしているようです」と、うれしい声があがっています。今後も、卒園後にもつながるような、「異年齢保育の良さ」を継続していければと考えています。

さて……ちょっと長々と堅苦しいことを書きましたが、卒園生との再会を一番楽しみにしているのは、誰よりもまず我々職員です。今回の参加者を集計して職員に発表したところ、「えっ、〇〇君来るの!?」「すごく会いたい!!」そんな声が続出していました。

今回の「夏休みお手伝い保育」は、感染症の再流行などもありなかなか難しいタイミングでの実施となってしまいますが……どうかあたたかい目で見守っていただければ幸いです。(事務兼保育士・伊藤)

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