園生活の重要キーワード「遊び」ってどんな意味!?【わかくさ日記】

先日、日本教育新聞というところの取材を受け、この園だよりの取り組みについて取材してもらいました。主に保育園・幼稚園、小中学校の教師、特に管理職が読むような新聞です。(園のエントランスやウェブサイトで読めますのでよかったらどうぞ

かくいう私が保育と出会ったのも、この新聞で記者をしていた頃でした。ある日、たまたま幼稚園・保育園担当を仰せつかったため、否が応でも「保育」のネタで毎週、紙面を埋めなければならなくなったのです。さあ困ったぞ……。

困惑しながらも、取材で保育現場を訪れるうちに、なんだか不思議な風景が見えてきました。そもそも幼稚園・保育園には「ここからここまで学ぶべき」と示されたものがありません。教科書もなければ、通知表もないのです。では、どんなことを大切にしているのか、と先生方に話を聞いてみると、「遊び」という言葉がやたら出てきます。

どうも、大人がイメージしている「遊び」と、保育者の方がいっている「遊び」というのは意味合いがかなり異なるようなのです。一般的に、「遊び」ということばに対して抱くのは、娯楽や趣味といったイメージではないでしょうか。

一方、保育士の使っている「遊び」は、園の中で、子どもが営む「活動」や「取り組み」を指しているようでした。というか、園生活の中心となる大切な活動として、「遊び」をとらえている様子でした。

例えば、年中~年長ぐらいになるとお手紙ごっこ等を通して、自然と「あいうえお」を覚えていく姿があります。個人差はあるものの、お友達や親、先生にお手紙を書いてみたい、というその子どもの中にある思い、意欲が出発点になると、子どもはあっという間にことばを覚えて使えるようになります。どうも、保育士がイメージしている「遊び」は、「やらされる活動」ではなく、「子ども自らが意欲的に取り組む営み」といえそうでした。

それを実現するためには、ちょっとした仕掛けが必要で、例えば部屋にさまざまな遊びを用意しておき、子どもが自分で選択して遊べるようにしておく……遊びが盛り上がり、深まるようにするため、さりげなく新しい素材や材料を用意しておくなど。時には保育士が巧みに遊びに誘う様子も垣間見れました。

そうした保育士たちの支えによって、子どもたち自身が主役になって、遊びの中でいろんなことを学んでいく幼稚園・保育園、これは小学校以降の教育とは全然ちがう!けど、たしかに教育だ。そう考えると、これは豊かで面白い世界だなあ、そんなふうに感じたことを覚えています。

――その後、取材する側だった私が保育現場にやってきた理由は、いま振り返ると、学校教育にない面白さにひかれた面が強いなと思っています。大人が思っている以上に、乳幼児が関わる世界は、広く、深いのです!(伊藤)

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