改めて振り返る「行事の意味」【園長の保育雑談】

今年はコロナの影響で、地域や小中学校においてもいろいろな行事が中止になったり変更になったり余儀なくされています。当子ども園でも、小中学校が様々な行事を中止・取りやめをしている中、どこまで行事を実施していくべきなのかについては、とても悩みました。そこで改めて、子ども園での「行事のねらい」や意味について確認してみます。 

行事の原点は、冠婚葬祭や地域の伝統行事です。生活に季節の節目を作り、日々の暮らしを彩るものです。当園の行事も、節目の季節を感じながら日常の保育に厚みや変化を与え、園での生活をより豊かにしていくことを大切にしています。

また、行事は保護者の方々に子どもの成長を見てもらう絶好の機会でもあります。その上で、次の4つの視点を大切にしながら行事を実施しています。 

視点1:その時々の子どもの育ちを保護者と共有し、子どもの成長を共に喜び合う

<運動会、大きくなった会、一日保育士体験、保育参加・公開保育、夕涼み会、成長展等>

視点2:園生活での子どもの様子を見ることを通して、保育者の関わりを参考にしたり、家庭とは違った子どもの成長に気づいたりする

<保育参加、一日保育士体験、親子ウォークラリー、夕涼み会等>

視点3:昔から続いてきた伝承文化を伝え、継承する

<餅つき大会、豆まき、七夕まつり、ひな祭り等> 

視点4:日々の生活に節目を作ることで、生活にリズムを与え、日常を豊かにする

<お誕生日会、遠足、野菜栽培、クリスマス会、地元の商店の買い物体験、学校行事への参加等>

当子ども園ではコロナ禍の中とはいえども、やはり「子どもがその時、その年齢でしか体験できないことを中止したくない」という思いと、「子どもの成長を保護者に伝え、共に喜び合いたい」という思いが強くありました。

このため行事を実施する意味を大事にしつつ、コロナ禍の中での配慮すべき点を両立させるよう、検討を重ねてきました。

そこで今回運動会では、感染拡大を防ぐため、屋外において3歳以上児クラスのみでの実施や、保護者の方の人数制限での参加をお願いすることとし、この点についてはご協力いただき本当にありがとうございました。 

「運動会」や「大きくなった会」のような行事では、子ども同士がイメージや思いをもって交流し合い、そこに共通の願いや目的が生まれます。一つの目的に向かって活動する中で、子ども同士がもっと工夫したり、協力したりするようになっていきます。そこには仲の良い友達だけでなく、いろいろな友達と一緒に、クラス全体で協同して遊ぶことができるようになっていく、そんな成長の過程があります。小さなグループではなかなか味わえない、集団遊びの楽しさ・醍醐味を感じることが、行事の価値だと考えています。

さて明日の運動会では、「個人と集団」両面での成長・関わりを見られることと思います。お子さん個人への応援はもちろんのこと、集団としての成長が見られましたら、ぜひ惜しみない拍手を送ってください。 

「行事のねらい」にあるように、子どもたちの成長を保護者の皆さんと共に喜び合えることを願っています。

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