「大きくなった会」ではこんなことを大切にしています【園長の保育雑談】

 12月には「大きくなった会」があります。当子ども園の行事は、子どもの成長・発達を保護者に見てもらうところに大きなねらいがあります。運動会は運動面での成長を中心にみてもらい、「大きくなった会」は表現やことばの成長・発達を見てもらいたいと考えています。

今回は劇あそびについて、クラスごとに大切にしている視点を紹介します。

  • しずく組(0歳児クラス)…いつもの朝の様子を保護者にみてもらう。
  • ひかる組(1歳児クラス)…ふだんのあそびの延長から、パン屋さんにお買い物へいくごっこあそびを行う。
  • にじ組(2歳児クラス)…夏のころから遊んでいる絵本「もりのおふろ」を題材に、いろいろな動物になって お風呂ごっこをして歌をうたい、イメージをふくらます。
  • そら組(3歳児クラス)…絵本「てぶくろ」を題材に、いろいろな動物をイメージして身体で表現する。音楽と共に簡単なことばのやりとりを表現する。
  • かぜ組(4歳児クラス)…「ももたろう」を題材に、子ども同士が会話のやり取りを考えたり、自分の役を想像しながら身体表現を行う。小道具や衣装なども自分で想像して作ってみる。
  • たいよう組(5歳児クラス)…「ピノキオ」を題材に、自分の役や相手の役の気持ちを想像しながら、協同して身体表現、言葉の表現を行っていく。役を表現するための小道具や衣装なども自分で想像して作ってみる。

「大きくなった会」のテーマは、何と言っても「子どもの想像力を引き出し、十分に発揮すること」です。

想像力を引き出すことが目的なので、セリフは子どもと一緒に作ります。「この場面はどんな言葉を使ったらいいんだろう?」と子どもに考えてもらい、そのシーンに合ったことばをセリフにしていきます。劇の中での体の動きも子どもに想像してもらい、これを表現してもらいます。現場の先生たちは子どもが意欲的に取り組んでほしいという思いから、劇に関連した遊び――小道具や衣装を作ったり、劇に出てくる食べ物を作ったり、歌を歌ってみたりなど――を日々工夫しています。子ども同士の関わりの中で行事を丁寧に作り上げていくことは、子どもにとってもかけがえのない体験になると思います。

当子ども園は「セリフを間違えずに上手に言う」とか、「友達と一糸乱れず体の動きをそろえる」とかは、行事の目的にしていません。「練習の成果や見ばえ、出来ばえ」ではなく、「日々の保育の中で子どもが主体となって作り上げたもの」を見てほしいのです。子どもの想像力を引き出し、自分なりに表現したありのままの姿を見てほしいと願っています。そんな思いで「大きくなった会」へ向けて取り組んでいるので、子どもたちの力を信じてぜひ楽しみにしていてください。

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