園長先生の保育雑談-11月

◇あそびの背後にはたくさんの“学び”があります

子ども園で子どもがケガをすると、「先生がそばにいたのに・・・」と親なら誰しも思うでしょう。中には防げたかもしれないものもあるので、痛い思いをさせてしまったと園でも本当に胸が痛みます。大きなケガならなおさらです。

ただ一方で小さい擦り傷や打ち身にまで過敏になり、ケガをさせないようにケガをさせないように「危ないからダメ!」と大人が制限する保育が優先になると、子どもは人間本来の持つ危機察知能力や身を守る力が育ちません。その上禁止や規制が多い保育になり、結果的に子どもにとって楽しい体験は少なくなってしまいます。そんな中で育った子どもは、大人がいない場所では大きなケガをすることになるかもしれません。

子どもの身体は柔軟性があり、回復力があります。身体を動かすのが好きな子どもたちは、つまずいたりすべったりころんだりしてよく擦り傷や切り傷を作ります。特に冒険心のある子は身体を動かしながらチャレンジをすることが好きで、できるようになるとさらに難しいことをしたがります。そうやって身のこなし方を体得し、どんどん身体能力を高めていきます。身体を動かすことを通して、その心地よさや挑戦心・冒険心を育み、友だちとの関わりを深め、小さな成功体験から自信をつけていきます。乳幼児期のあそびの背後に実は生涯にわたるたくさんの“学び”があることを忘れてはなりません。

先日たいよう組の子どもたちとおいも掘りを練馬まで行ってきましたが、その帰りに公園でたくさん遊びました。その時にのぼり棒の遊具があったのですが、子どもたちは果敢にチャレンジしていました。はじめは高いところから降りることさえできなかったのが、慣れるにつれて自分の力で降りられるようになる子も出てきて、最終的には私が手伝う中でなんとか高い場所へのぼることもできました。途中足が痛いとか手が疲れるとかは私に訴えてきましたが、その都度「じゃあ、違うあそびをする?」と尋ねると、「もっとやりたい」と答えがかえってきます。子どもにとっては、身体の負荷よりもチャレンジする気持ちの方が勝っているのです。

保護者の皆さんはどんなふうに考えますか? 大事なお子さんをお預かりしているので、防げるべきケガはもちろん防げるようにしていかなくてはなりません。しかし子どもの成長を人生という大きなスパンで考えたときに、ケガ以上に大切にしなくてはならない視点があることも同時に忘れてはならないと考えます。