保護者面談を終えて【園長の保育雑談】

10月、11月中に各クラスの担任の先生が保護者の方と面談をしてきました。お忙しい中ご協力いただき、ありがとうございました。話を聞いた中で、家に帰るとゲームやネット動画に2、3時間またはそれ以上夢中になっていることを心配している保護者が何人かいたようです。
インターネットは楽しい動画を見ることができ、おもしろくてつい時間が過ぎてしまう、大人にとっても子どもにとっても魅力的な世界です。今やわたしたちの生活に浸透しており、容易に取り除くことはむずかしいでしょう。
しかし、子守り代わりに与えっぱなしになっている、ネットや動画を見ることで親子の関わりが少なくなっている、長時間みせて生活リズムがくるってしまっている等には注意が必要です。
 子どもは、五感をつかった直接体験を通して様々な学びをしていきます。
例えば、声をかけながら一緒に動画をみたり、動画で見たことを
一緒にやってみる・つくってみる・行ってみるなど、直接体験に
つながるような工夫を考えてみてはいかがでしょうか。

◇時には衝突しぶつかり合う体験も幼児期には必要な体験です
さて12月には「大きくなった会」がありますが、ここで大切にしていることの一つが「協調性」です。「協調性」は友だちと直接関わることから育まれます。
例えばたいよう組やかぜ組では、友だち同士で相談する中で、役を決めたり一緒に声を合わせたりセリフを考(かんが)えたりしています。いろいろなアイデアを出し合って自分たちで道具をつくり、子どもたちと一緒にナレーションも考えていきます。こうして同じ経験・同じ時間を過ごすうちに、少しずつですがお互いに役のイメージを共有し合い、動きやセリフを楽しむようになってきます。
しかしその過程においてトラブルはつきものです。「オレが…、私が…」と自分のことばかりを主張してくる子どもたち、意見がぶつかり合い、激しく言い合いになり、お互いが嫌な気持ちになって泣いてしまうこともあります。こんな時保育者は、根気強くお互いの気持ちを聴くようにしています。「どうしてこうなったのかお話ししてくれる?」、「○○くんの気持ちをお話ししてみて?」、「○○ちゃんの気持ちも聞いてみようね」といって相手の気持ちにも気づくことができるように、そして本人たち自身が問題解決できるように促していきます。けんかをしたから、ただ謝ればよいというのでは何の解決にもなりません。
「協調性」、つまり人と関わる力を育むには、葛藤や悔しさなどの負の感情を自分なりに折り合(あ)いをつけ、乗り越えていく体験がとても大切です。けんかもせずに、自分の言いたいことも言えずに、たんに仲良くつき合うだけでは、子どもの世界ですら表面的な人間関係しか作れません。
子どもたちは上記のような体験を通して成長した姿を見せてくれると思いますので、ぜひご家族でご観覧していただければと思います。

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