園長の保育雑談12月

◇「人にやさしく」、「人の手助けをしよう」という気持ちはいつ頃から?

子どもが純粋に「人の役に立つ」ことや「人の手助けをする」行動に好意を示すのはいつ頃から芽生えるのでしょうか。

かつて6ヶ月と10か月の赤ちゃんを対象としたこんな実験が行われました。まず坂道を登ろうとしている丸い図形があります。丸い図形はなかなか坂道を登れません。するとこの後二つの映像が映し出されます。一つ目は、丸い図形を後ろから押して坂道を登るのを助ける三角の図形が登場します(〇を助ける援助者△)。二つ目は、登ろうとしている丸い図形を坂の上から押し戻して邪魔する四角い図形が登場します(〇を邪魔する妨害者□)。この映像を見せた後、赤ちゃんの目の前に「助ける図形△」と「邪魔する図形□」をおきました。10か月の赤ちゃんは16名中14名が、6ヶ月の赤ちゃんは12名中12名が「助ける図形△」に手を伸ばしました。この結果は、赤ちゃんが援助者と妨害者を区別していること、そして人の手助けをする善行動が好きなことがわかります。

 実は「人にやさしく」とか「人の手助けをしよう」という気持ちは、乳児の頃から芽生えているようなのです。そういえば子ども園でも、泣いている赤ちゃんを見た他の赤ちゃんが、「いい子、いい子」と頭をなでたりする光景をしばしば見かけます。赤ちゃんも泣いている子に同情する心の芽生えがあることを園生活の中でも見ることができます。

ただそこには相手の気持ちを想像する力(共感能力)が必要だと考えられます。私たち保育者や親はどんなことに気をつければよいのでしょうか。主に次のことが大切だと考えられているようです。

1、「人にやさしく」できた時や「人の手助け」をした時には、「(○○をやってくれて)ありがとう」とか「よくできたね」と適切に褒めてあげる。

2、大人が絵本を読んであげる時に、「この男の子はどんな気持ちかな?」「主人公は幸せなのかなあ?」と登場人物の気持ちを考えさせる問いかけを多くする。また絵本を読んであげるときだけでなくふだんの生活でも大人が「○○は悲しいね」、「うれしいね」などの気持ちを表す言葉を多く使うようにする。

3、大人の動きをまねたり、お友だちと動きを合わせたり、集団でリズムを合わせて楽器を演奏したりする経験を重ねる。

「1」と「2」については理解できますが、「3」については驚きですね。子ども園で一緒に歌をうたったり、一緒にリズムあそびをしたり、一緒に劇あそびをしたり・・・、そうした活動が「相手を思いやる気持ちを育てる」とは非常に興味深いことです。これは乳幼児期だけでなく、小学校低学年の児童にも見られる現象だそうです。

さて今月は「大きくなった会」が行われますが、その過程で子どもたちはまさに大人やお友だちと動きを合わせたり、歌ったり演奏したりする経験を重ねていきます。こうした経験を通して友だちを思いやる気持ちが育まれていくものと思われます。当日はそのような成長した子どもたちの姿をぜひご覧になっていただき、共に喜びを分かち合いたいと思っています。